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YBBスクール「YBBアートセンターの夜明け〜鼓動〜」レポート

1月27日(木)より、弊社tecoLLCが現在準備を進めている、ここ吉井酒造煉瓦倉庫にて、「YBBアートセンターの夜明け 〜鼓動〜」と称して学校を開校いたしました。今回(株)全国商店街支援センターからの支援により、 このYBBにて「新たな商店主を育成するための教育プログラム」を実施することにあたり、「食」「農業」「メディア」「アート」「観光」「学校」という6つのカテゴリについて 地方(世界を含め)について「新しい価値創造を行っている方々」をゲストとして御呼びし、 新しい地域での生業(なりわい)を考える場を設けました。

第1回 『地方発、新しいメディアの夜明け』赤星豊×草彅洋平

「地方発、メディアの夜明け」と題して行われた本講座。 まず口火を切ったのは、草彅さん。

草彅さんには、全国各地のフリーペーパーを紹介いただきました。 「地域というキーワードは既になく、ややコアなネタを展開する フリーペーパーが非常に多い。一方で、◎ーネルのような トーンの雑誌も増えてきたのも事実。」

そうした中、岡山県倉敷市で「kurashjapan」を 2005年から5年間10冊を発行してきた赤星豊さんは、 「雑誌の切り口は『倉敷』でブレないこと。 やはり地域誌の中には行政と協力して作ることもありますが、 krashjapanはそこを一線を画して、地元の企業さんとの タイアップ記事や広告で運営していった。 もちろんこだわりがあるので5年間は赤字事業でした。」 この議論で面白かったのは、 地域の情報を集める、面白い場所を紹介する、 という既存の観光情報誌とは違う視点です。

「その誌面を作り上げる編集長なり、 やはり作り手である人がとても重要。 どれもこれも情報として載せるのではなく、 何かに特化することも大事」と赤星さん。

「むしろ、紙媒体にこだわらないことが 可能性を探る上で重要なことでしょう。 青森には魅力的なネタがごろごろいるので ぜひなにか作りたい!、お手伝いしたいという 想いになりますね」と草彅さん。

新たな視点を元に、ここからどんな情報を、 そしてどんな切り口でメディアを作っていくのか。 普段得られない情報であったり、アイディアが飛び交い、 受講生の刺激になったのではないでしょうか。

赤星 豊さん(有限会社アジアンビーハイブ代表/クリエイティブ・ディレクター、アート・ディレクター)
1963年生まれ。青山学院大学英米文学科卒。90年よりフリーランスのライター・編集者として活動。『BRUTUS』『ダカーポ』『POPEYE』『月刊プレイボーイ』『anan』等の雑誌の編集・執筆に携わる。2005年、アジアンビーハイブ設立。同年9月『Krash japan』創刊。2006年、目黒三九のペンネームで小説『ポイズン』を上梓。同年10月、東京から倉敷に居を移す。2007年よりFMくらしき『レディオ・クラッシュジャパン』のDJを務める。2009年6月、山陽新聞130周年記念号「地方人宣言」を企画・制作(第4回全広連鈴木三郎助地域賞最優秀賞受賞)。2010年2月、倉敷市発行のフリーマガジン『風と海とジーンズ。』を制作。同年3月、岡山でポートレートの写真展『radius 4.2』を開催。5月に風景写真を集めた写真展『more or less』、8月に『GROTESQUERY』を開催。
→http://www.krashjapan.com/

草彅 洋平さん(株式会社東京ピストル)
1976年東京生まれ。株式会社東京ピストルの代表にして広告から書籍まで幅広く企画立案等を手がけるプランナーとして活躍中。同人誌、ジンなどをはじめにサブカル全般に詳しい。株式会社東京ピストルは編集者である草彅洋平とデザイナーである加藤賢策によって2006年に設立された、ブランディングからプロモーション、紙からWEB媒体まで幅広く手がけるクリエイティブカンパニー。
→http://www.tokyopistol.com/

第2回 『農と教育のパラダイムシフト』john moore×林篤志

YBBスクール第2回目は、元パタゴニア日本支社長のjohn moore(ジョン・ムーア)さんと、パートナーである林篤志(はやし・あつし)さんをゲストにお招きして、「john moore associates」での活動を中心に、お話をうかがいました。 お二人は、「教育」を媒介として、さまざまな人が集まるコミュニケーションの場を造り、土地が持っている特性をプロデュースしていく、といった活動をされております。

その事例として、世田谷ものづくり学校内で展開している、スクーリング・パッド自由大学のこと、新潟にある限界集落、そして高知県の山間でのプロジェクトとそれぞれのお話を順を追ってお話をいただきました。例えば自由大学では、普段巡り会う事ができないだろう人々をゲストに呼び、そのような人たちの話から「学校教育では到底身につかないスキル」を学ぶことができるそうです。また新潟の山村では、ハンティング、保存食、薬草の知識など村で生活する人々にとっては当たり前のスキルも、ほかの人々にとっては魅力的な内容であり、貴重な教育内容となります。こうした事例の中から共通して言えることは、やはり普段生きている中で巡り会う事のない人と人を繋いで、そこから新しいものを生み出していくことではないでしょうか。

ジョンさんには、煉瓦倉庫の活動についても触れてもらいまして、 「未来はどうなるかわからないので、とりあえず何でもやってみよう」と話していました。今後、YBBでも様々なことにチャレンジして、試行錯誤し、人が何かを創出していける場所を目指していけたらと思います。

John Mooreさん(john moore associates代表)
アイルランド出身。祖母のもと幼少の頃からオーガニックの農業に触れる。ロイヤルバレースクール、リバプールユースチームに所属。英国シェフィールド大学にて、教育と都市設計を専攻。大学時代は、自分でハーブを栽培、ハーブティーの会社を設立し、学費を稼ぐ。英国公認教師、ロンドンビジネスカレッジ講師、元パタゴニア日本支社長。大学卒業後、教師を経て、電通に入社。コピーライターとして活躍する。その後、パタゴニア日本支社長に就任し、現在はjohn moore associates 代表をつとめる。
→http://www.jmorganics.jp/

林篤志さん(john moore associates取締役)
愛知県出身。国立豊田工業高等専門学校にて、情報工学を専攻。在学中にアメリカ デトロイトに1 年間留学。卒業後、SIer にてWindowsプラットフォームにおけるミッションクリティカルサポート業務に従事。自由大学創設メンバー。現在は、john moore associates取締役、教育プラットフォームの企画・設計などに携わる。

第3回 『アートはビジネスへ』山出淳也

YBBスクール第3回目は、大分県別府市NPO法人「BEPPU PROJECT」の代表理事であり、アーティストの山出淳也さんをゲストとしてお招きし、別府市の地域活性化に関する活動のお話ししてもらいました。今回は弊社代表の立木もトークに参加しております。

別府市は源泉数、湧出量がともに日本一という温泉の街で、立命館アジア太平洋大学があるため、留学生の居住率も日本一です。公共温泉の2階はだいたいが公民館であり、そこが観光客と地元の人が出会うコミュニティのよりどころとなっているそうです。

「ある場所を共有する」という精神は別府市にはもともとあり、そのような土壌のもと、山出さんはこの町にアートという新しい価値観を取り入れ、展示施設を町の中に点在させることで横の繋がりを広げていきました。アートは、人と人が繋がって行くための必然作りであり、何かと何かをつなぐことから創造的な可能性を誘発させるそうです。

温泉は、みんなが裸になって場を共有します。すべてを脱ぎ捨ててむき出しにした心が、アートでいう、自由なものの視点の開放になっていくのではないでしょうか。

山出さんはさらに、起爆剤として「地域通貨」の導入を考えられているそうです。商店街や街全体にどうやって利益を還元させていくか。この考え方がいま、街ぐるみのアートプロジェクトに必要な視点であり、運動であると思いました。私たちYBBプロジェクトも、「地域に開く」とともに、「地域の資産を共有する」という想いを共感していきたいですし、そうあるべきだと思います。

山出淳也さん(NPO法人 BEPPU PROJECT 代表理事/アーティスト)
アーカスプログラムによるレジデンス(茨城県、1996-7)、ACCによる助成を受けNY、PS1でのインターナショナルスタジオプログラム参加(2000-1)。ポーラ美術振興財団の助成による欧州滞在(2002)。文化庁在外研修員としてパリに滞在(2002-2004)。帰国後、地域や多様な団体との連携による国際展開催を目指して、2005年にBEPPU PROJECTを立ち上げ現在にいたる。平成20年度 芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞(芸術振興部門)/別府現代芸術フェスティバル2009 「混浴温泉世界」 総合プロデューサー(2009)主な展覧会として「台北ビエンナーレ – THE SKY IS THE LIMIT」台北市立美術館(2000-1)、「my home is yours, your home is mine」ロダンギャラリー、ソウル(2000-1)、「GIFT OF HOPE」東京都現代美術館(2000-1)、「Strangers」PS1、NY(2001)、「PROJECT N0.26」メキシコシティ(2001)、「Exposition collective」Palais de Tokyo、パリ(2002)、「PROJECT No.20」John Michael Kohler Arts Center、アメリカ(2004)、「Weird walls」オランダ(2005)など多数。

第4回 『伝統工芸品、商品開発その前に』山田遊

山田遊さんは株式会社method(メソッド)の代表をお勤めで、「クリエイティブ・バイヤー」としてさまざまな会社のバイヤーを引き受けています。その山田さんのお仕事は、普通のバイヤーと違って、メーカーから発売日などの商品情報をいち早くチェックして、取り扱う商品をふくめた全ての情報を元に小売店のために品揃えする、といったことが特徴です。このようにして小売店と契約してショップのディレクションをする仕事の中から、国立新美術館ミュージアムショップ、羽田空港のグッズセレクトなどさまざまな事例を通して、商品を売るためのノウハウをお話いただきました。

また、「売れる商品開発」をするためには、買い手が商品に対価としてお金を払うということをよく考えることが重要だと山田さんはおっしゃっていました。開発者側はどうしても商品を作ることに集中して、商品を並べるお店側から意識が離れがちになるそうです。どうしたらお客さんが商品を手に取ってくれるか、といったことに意識を向けるためにも、バイヤーの方と相談しながら開発を進めていくことが大切のようです。世の中には、ちょっと変えるだけで売れるものがたくさんあるそうで、そのちょっとのために売れなくなるのはもったいないですよね。

そんな流れから、今回は弊社森トイプロジェクトの木製知育玩具の試作を山田さんに見てもらうことになりました!
試作おもちゃはこちらです→http://www.teco-llc.net/moritoy-project/sp_vol2.html

山田さんのお気に入りは「はじめての積み木」でした。売れる商品のためには、まずこれまでにない概念やアイデアが必要になるそうで、この積み木は普通に積まなくてもいい積み木といった概念が新しいそうです。積み方のバリエーションを増やしたら面白くなるのでは、といったアドバイスを頂きました。山田さん、本当にありがとうございました!

山田遊さん(株式会社method(メソッド)代表)
【プロフィール】
1976年 東京都出身。
2000年 株式会社イデー入社。2001年よりIDEE SHOPバイヤーを務める。2002年より 全店統括バイヤーを務める。
2003年 株式会社イデー退社。東京、恵比寿のコンテンポラリー・ジュエリーのギャ ラリー、gallery deux poissons(ギャラリー・ドゥ・ポワソン)の立ち上げに参 加。翌年より同社(現、有限会社ドゥポワソン)のマネジメントディレクターを務め る。
2007年7月 NOOKA JAPAN株式会社、代表取締役に就任。 またクリエイティブ・ディレクション事務所、methodを立ち上げる。

2004年2月、GALLERY CLASKAで開催された「BOND next DESIGNER’S SELF PRODUCTION TRADE SHOW」をプロデュース。
2006年2月、プロダクトブランド「ribbon project」、 「Lx. project」のブランド プロモーションを担当。現在に至る。
2006年11月、デザインタイド2006(DesignTide 2006)/タイドマーケット(TideMarket) のディレクション。
2007年1月、国立新美術館ミュージアムショップ「スーベニアフロムトーキョーバイ シボネ」のサポートディレクターを務め、現在に至る。
2007年4月、新丸ビル内のショップ「デリエイデー」オープンに伴うディレクション 及びバイイングに参加。
2007年10月、ドコモダケ・アート展 in NY「HOW TO COOK DOCOMODAKE ?」の展示企画 及び作品集編集を行う。
2007年11月、デザインタイド2007(DesignTide 2007)/タイド ‘スーパー’ マーケット (Tide ‘Super’ Market)のディレクションを行う。

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